私は、小さい頃、寝る前によく本を読んでもらっていました。
母と私のひとつの習慣と言えるほど、毎晩読んでもらっていました。
森の中の動物たちや、真夜中に踊りに出かけるプリンセス、
世界中を旅する冒険話などが登場する、異国の物語を好んでよく読んでもらっていたのを覚えています。
母の口から語られる、遠い異国の生活のようすや食べ物、例えば、
「木のうつわやスプーンをつかって」や、「ぶどう酒」、「森の奥の小さな赤いやねのおうち」など、
自分の身近にはないものを想像し、「食べてみたいなぁ」「どんなおうちなのかな?」とワクワクしたものです。
絵本の読み聞かせは、大切な親子のコミュニケーションツールだと思います。
こどもの遊びもデジタル化が進むなか、たくさんの絵本や良質な本を読ませたい、と思う親御さんは多いのではないでしょうか。
私が母の読み聞かせで、より夢中になった理由は、ときどき、私の名前を呼びながら語りかけてくれたからです。
恐らくこれは、母が自分で考えた方法なのかもしれませんが、今では、「名入れ絵本」という素敵な本もあるようです。大好きなキャラクターや主人公が自分の名前を呼びかけながら物語が進行していったら、
より楽しさが増えますし、夢中でストーリーに引き込まれてしまうのではないでしょうか。
さらに、こどもが自分で絵本を読めるようになったら、絵本のなかに自分の名前が書いてあるのをみつけて、うれしくなると思いますし、字を早く覚えることにも繋がると思います。
今、こどもを育てていて、こどもと一緒に図書館や本屋に行ったとき、
昔、自分が大好きだった絵本や本があるのをみつけて、
母が読んでくれたときのワクワクした気持ちや楽しみだった記憶を思い出すのと同時に、
大切に育ててもらっていたんだ、と感謝の気持ちを感じることがあります。
こどもたちにとっても、今読んでいる絵本や本がそういった存在になってくれることを願っています。